カリキュラム
生命科学科の理念
バイオに関する高度な知識と技術を持ち,生命機構の真理の追究により,人が健康で安全な生活を営むための医療や食品や環境に関する分野で活躍する基礎研究者および研究開発従事者を養成することを目的とし,創薬科学,医療科学,環境衛生科学などの分野を教育研究することで,人の健康および自然環境との共生を実現するための実践的な技術を身につける.
生命科学科の学習・教育到達目標
- 広範な教養と幅広い視野を身につけた創薬や環境に関する研究者の育成
・多様な人文・社会科学の学習により,社会に対する幅広い視野と教養を身につける
・「マーケティング」・「知的財産」など,医療,食品,環境分野で関連の深い教養を併せて身につける
・理工融合の考えから,分析技術者としての教養を身につける - 基礎研究者や研究開発従事者としての倫理観の育成
「生命科学と倫理」などの科目を学ぶことで,バイオに関する高度な知識と技術を持ち,
生命機構の心理を探究することから
・人が健康で安全な生活を営むための医療や食品や環境衛生に関する分野で活躍することの必要性を理解する
・生命科学が自然界に及ぼす影響を理解する
・基礎研究者・研究開発従事者として果たすべき役割を習得する - 日本語によるコミュニケーション能力及び国際的コミュニケーション能力の養成
・日本語,外国語教育により,海外などの文献や資料から幅広い知識を習得できる能力を養成する
・研究者・分析技術者としての基本的なコミュニケーション能力を養成する - 数理的な解析能力の基礎となる数学・自然科学学習
「生物統計学」,「機能情報生物学」,あるいは各「実習」など,発現する現象や普遍的な法則,
標本データの解析などを通して
・数学的素養や数理的解析能力の基礎を培う - 情報技術学習による表現能力やプレゼンテーション能力の養成
「情報リテラシー」,「生命科学データベース論・演習」など,コンピュータを用いた配列解析やコンピュータ・アプリケーションソフトを用いた演習を通して,情報技術教育による効果的な視覚表現方法を学習することから
・コミュニケーション環境に求められるプレゼンテーション能力を身につける - 創薬・環境研究者、分析技術者として必須となる知識・能力の養成
<生物系コース>
・遺伝子組換え技術を使って遺伝子レベルで生体を解析する
・タンパク質の構造から生命のしくみを研究し,新薬を開発する
・機能性食品や臨床検査における開発
などの分野で活躍できる研究者・技術者になるための知識・能力を身につける
<環境系コース>
・人々の健康をおびやかす環境汚染物質やその防除について研究する
・食品の安全性について研究する
・環境分析や環境衛生,食品分析をおこなう
などの分野で活躍できる研究者・技術者になるための知識・能力を身につける - 実験・実習経験を通じて創造性豊かな人材の養成
・実験・実習において,関連する理論を具現化することができる
・実験・実習を通じて,様々な技術や創造力を体得する
・学外実習などの経験から,即戦力となる実力を身につける - 科学技術に裏打ちされた実行力を備えた専門職業人の養成
専門教育の導入をはじめとし,各系統に大別した専門知識の習得,それを具現化させる実験・実習に加え,徹底した少人数教育体制のゼミ系の学習から
・生命の心理を追求し,人の健康および自然環境との共生の応用分野で活躍できる実力を身につける
生命科学科のカリキュラムについて
本学科では,幅広い教養教育と生命科学に関する徹底した基礎教育のうえで,高度な教育を実践することで,豊かな人間性を体得し,科学技術に裏打ちされた実行力を備えた専門職業人を養成します.そのため,教育課程は,「教養科目」と「専門科目」で構成されます.
「教養科目」は,豊かな人間性を育むための広範な教養と幅広い視野を身につけるとともに基礎的な学習力を養成するため,倫理観やコミュニケーション能力の向上と人間力を高める「自分を知る教養群」と幅広い社会の常識・しくみを学び社会における適合性を高める「社会を知る教養群」に分かれています.前者は一年次から三年次に,後者は主に二年次から四年次に配当されます.
「専門科目」は,下表に示すように「専門基礎群」,「共通コア群」,「生物系専門コア群」,「環境系専門コア群」,「少人数教育群」の科目群に分かれています.生命科学を学ぶにあたって基礎となる「専門基礎群」は,すべて一年次に配当しています.「共通コア群」は,生命科学の根幹となる重要な科目,食品科学系の科目,キャリア系の科目を含みます.キャリア系科目として三年次に配当された「生命科学学外演習」では,様々な企業,研究機関に出向き,実際の現場での実習とその成果の発表と討論を行います.「専門コア群」は,「生物系専門コア群>」と「環境系専門コア群」の2つに分かれています.どちらにも必修科目が含まれますが、これらは三年次から分かれる「生物系コース」と「環境系コース」のそれぞれに進んだ学生が,より専門的な科目を選択し,学べるように配当されています.「少人数教育群」は,「実験実習系」と「ゼミ系」について,一年次から四年次の各年次に配当し,実験,実習等を十分取り入れた体験学習に基づく教育を行います.これらは,内容的に対となる講義科目とほぼ同時期に配当することで,知識と体験がすぐに結びつくことで学習効果を高められるようにしています.加えて,一年次に「基礎演習I」,二年次に「基礎演習II」,三年次に「研究基礎演習」,四年次に「卒業研究」と専門分野を基礎から応用まで体系づけて学習できる体制を整えています.
これらを踏まえて,本学科では,
<生物系コース>
「分子生物系」,「生物機能情報系」,「生態システム制御系」に分類した選択科目を配置し,遺伝子組換え技術を使った遺伝子レベルでの生体の解析やタンパク質の構造から生命のしくみを研究して新薬開発につなげる,といった創薬科学者を目指す人材を育成します.
<環境系コース>
「環境保全系」,「環境科学系」に分類した選択科目を配置し,人々の健康をおびやかす環境汚染物質やその防除についての研究,あるいは食品の安全性の研究など,環境分析,環境衛生,食品分析などの分野において,優れた技術者を育成します.
表1. 専門科目について (2016年度以降 入学生)
| 区分 | 授業科目 | 履修年次 | ||||||||||
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||||||||
| 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | |||||
| 専門 科目 |
専門基礎群 | 生物学概論 | 必修 | ○ | ||||||||
| 物理学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 物理化学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 有機化学概論 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生物無機化学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生物統計学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 情報リテラシー | 必修 | ○ | ||||||||||
| 共通コア群 | 生命科学系 | 生命科学と倫理 | 必修 | ○ | ||||||||
| 生化学I | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生化学II | 必修 | ○ | ||||||||||
| 人体の構造と機能 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 人体と病態 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 実験動物学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| タンパク機能科学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 代謝生化学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 生命科学実験概論 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 発生生物学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 生体利用機能学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 食品科学系 | 食品安全学 | 必修 | ○ | |||||||||
| 食品微生物学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 食品生化学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 機能性食品科学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 食品分析学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| キャリア系 | キャリア支援講座 | 選択 | ○ | |||||||||
| 生命科学学外演習 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 生物系 専門コア群 |
分子生物系 | 生化学III | 必修 | ○ | ||||||||
| 糖鎖工学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 遺伝子工学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| ゲノムダイナミクス | 選択 | ○ | ||||||||||
| 分子細胞制御学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 生物 機能情報系 |
微生物学 | 必修 | ○ | |||||||||
| 酵素化学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 構造生物学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 機能情報生物学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 細胞機能学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| バイオテクノロジー | 選択 | ○ | ||||||||||
| 生体 システム 制御系 |
免疫学 | 必修 | ○ | |||||||||
| 薬理学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生化学検査学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 脳科学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 創薬科学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 環境系 専門コア群 |
環境保全系 | 応用微生物学 | 必修 | ○ | ||||||||
| 地球環境学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 環境土壌学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| バイオエンジニアリング | 選択 | ○ | ||||||||||
| 環境 科学系 |
公衆衛生学 | 必修 | ○ | |||||||||
| 環境毒性学 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 環境分析化学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| バイオ環境工学 | 選択 | ○ | ||||||||||
| 少人数 教育群 |
実験実習系 | 生物学基礎実習 | 必修 | ○ | ||||||||
| 生化学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 分子生物学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 分析化学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 食品微生物学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 遺伝子工学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生体物質解析実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 薬理学実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 環境化学系実習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 物理学実験 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 生命科学データベース論・演習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| ゼミ系 | 基礎演習I | 必修 | ○ | |||||||||
| 基礎演習II | 必修 | ○ | ||||||||||
| 研究基礎演習 | 必修 | ○ | ||||||||||
| 卒業研究 | 必修 | ○ | ○ | |||||||||
| 基礎生物学 | 選択 | ○ | ||||||||||
