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2020年度 新入学生のみなさんへ

新入生の皆さんへ

2020年4月16日

 生命科学科の新入生の皆様、進学おめでとうございます。皆さんは本来なら桜が満開のこの時期に、入学式で気持ちを新たにし、大学生活を始めようとしていました。われわれ教員も同様に、フレッシュな気持ちで皆さんを迎え、講義および実習で会うことを楽しみにしておりました。日本国内、関西圏での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患者が日を追う毎に増加し、警戒レベルが引き上げられ、大学は関係者以外の立ち入り禁止となり、教育・研究が制限されています。
 皆さんは大学の雰囲気を知ることができず自宅待機を余儀なくされ、授業開始までどのように過ごしたら良いのか、不安なことと思います。生命科学は、生命の謎を解き明かすミクロの視点から、健康を地球環境的な視野で考えるマクロの視点まで、幅広い分野を結集した学問であり、基礎研究の成果をもとに技術革新や社会への貢献を目指しています。この基礎は理科であり、生物学と化学が基盤になります。授業開始の5月下旬まで、まず、皆さんは、HPに公開されている2018年度と2019年度の入試問題(主に、生物と化学)を解きながら高校の教科書で内容を復習してください。そして、ときには新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にも注目してみると良いでしょう。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査とか、抗体検査、基本再生産数(R0; R naught)という言葉を良く耳にします。PCRは生物で学習した内容であり、微量な検体から短時間でウイルスの遺伝子を多量に増幅できる実験法です。PCRの検査数が少ないことが話題になっています。また、抗体検査の速やかな普及を日本医師会が厚労省に要望しています。抗体は生物基礎で学習しました。PCR検査と抗体検査とでは何が違うのでしょうか。また、ROは一人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す数値であり、1を超えると、感染が拡大することを意味します。これは高校では学習しませんが、化学反応の速度の考え方と似ています。化学反応では分子の動きが活発になると、単位時間あたりの分子と分子が衝突する回数が増えて反応速度が増加します。これをウイルス感染に置き換えると、患者と健常人が出会う回数が増えることで、感染する人が増えることになります。でも、ご心配なく、患者が健常人と出会っても必ず感染させることはありません(必ず生成物ができないのと同じです)。どうですか。生命科学の勉強になるでしょう。皆さんが誕生して間もない2003年に、今回と同様のコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行しました。SARSは院内感染での拡大が主であり、市中感染(誰から感染したか不明)が少なかったため約8ケ月(2002年11月16日〜2003年7月5日)で終息しました。COVID-19では、市中感染が増大したため、クラスターを探して感染者を隔離する方法では対応できなくなりました。医療崩壊を起こさないためにも、皆さん一人一人が責任を持ち、勇気と覚悟を持って自宅待機、活動の自粛をしてください(ウイルスは歩き回りませんから)。
 基礎研究は、このような危機を救う礎でもあります。1日も早くにパンデミックが終息し、皆さんと一緒に研究できる日を楽しみにしています。 なお、前期授業は、感染状況に大きな変化がなければ、webを使用した形態で行われることになります(実習や演習を除く)。詳しくは、オリエンテーションのときに説明しますが、情報メディアセンターのHPにあるソフト(WebFolderやMoodle)のページも参考にしてください。

生命科学科 尾山廣

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